― OPN-3102i 設定手順と注意点 ―
※本記事では、Amazonアソシエイト・プログラムを利用しています。
Table of Contents
1. GS1データバー限定型合成シンボル(CC-A)とは
GS1データバー限定型合成シンボル(CC-A)は、
GS1 DataBar Limited(1次元)+ Composite Component(2次元:CC-A)
を上下に組み合わせた 合成シンボル(Composite Symbol) です。
主に以下の分野で利用されています。
- 医薬品・医療材料の識別
- トレーサビリティ用途
- 有効期限・ロット番号の付加情報表現
重要な点として、単なるGS1データバー対応だけでは不十分で、
「Composite(合成)を明示的に有効化」 する必要があります。
2. なぜ初期状態では読めないのか
多くのバーコードリーダは初期状態で以下の制限があります。
- Composite(CC-A / CC-B / CC-C)が無効
- MicroPDF417(CC-Aで使用)が無効
- GS1 DataBar Limited の Composite 上位構造が無効
そのため、
「GS1データバーは読めるが、CC-A付きだと読めない」
という状況が発生します。
3. OPN-3102iでCC-Aを読むための基本方針
OPN-3102iでは、設定用QRコードを順番に読み込むことで有効化します。
GUI設定やPC接続は不要で、スキャナ単体で完結します。
必要な作業は以下の4ステップです。
4. 設定手順(QRコード読み取り)
① 初期設定 QRコード
まず、スキャナを既知の状態に戻します。
- 目的
- 過去の設定の影響を排除
- 読み取り対象の競合を防ぐ
👉 「初期設定 QRコード」 を読み取ります。
② 接続先端末設定(どちらか1つ)
使用環境に応じて選択します。
👉 どちらか一方のみ読み取り
| iPhone用 iOS端末とBluetooth接続する場合 | |
| PC用 Windows / macOS と接続する場合 |
③ 読み取り音設定(どちらか1つ)
現場環境に合わせて選択します。
👉 どちらか一方のみ読み取り
| バイブレーションのみ 医療現場・静音環境向け | |
| ブザー&バイブレーション 倉庫・物流現場向け |
④ GS1データバー限定型合成シンボル CC-A 対応設定
ここが 最重要ポイント です。
👉 「GS1データバー限定型合成シンボルCC-A対応 QRコード」 を読み取ります。
このQRコードには、以下の設定が含まれています。
5. 有効化される主な設定内容
| コード | 内容 |
|---|---|
| BCM | 全ての1次元バーコードを許可 |
| D5P | Japan Postal 許可 |
| BHE | Composite GS1 DataBar Limited CC-A(RSS)を有効化 |
| BCG | MicroPDF417 許可 |
| D4L | Han Xin Code 許可 |
| BG0 | DataMatrix(ECC000-140)許可 |
| BF2 | Aztec Runes 許可 |
| BCE | MaxiCode 許可 |
特に重要なのは次の2点です。
- BHE
→ GS1 DataBar Limited の Composite(CC-A)を有効化 - BCG(MicroPDF417)
→ CC-Aで使用される2次元部のデコードに必須
6. 設定完了後の動作確認
設定後、以下のような GS1データバー限定型合成シンボル CC-A を読み取ることで確認できます。
- 下段:GS1 DataBar Limited
- 上段:Composite Component(CC-A)
正常に設定されていれば、
- 1回の読み取りで
- GS1要素文字列(AI含む)が
- 正しく出力されます
7. トラブルシューティング
読めない場合のチェックポイント
- 初期化QRを読み飛ばしていないか
- CC-A対応QRコードを最後に読み込んでいるか
- 別のComposite(CC-B / CC-C)と混在していないか
- 読み取り距離が近すぎないか(限定型は細密)
8. まとめ
- GS1データバー限定型合成シンボル(CC-A)は通常設定では読めない
- Composite有効化+MicroPDF417許可が必須
- OPN-3102iでは設定用QRコードを4つ読むだけで対応可能
- 医療・流通現場では事前設定済み端末の配布が重要
OPN-3102i は Amazon でも購入可能です。
有線バーコードリーダ L-22Xも④の設定で読み取りできます。
導入テストや予備機を短納期で用意したい場合には便利です。